ウルトラストリートファイターⅣとストリートファイターⅤを比較してみた

2016.02.03:STREET FIGHTER V

其の壱

「難しいことをしている」

ということがウルⅣと比べて視覚的に分かりやすくなった。

ウルⅣではプロや上級者が物凄く難しいことをしていても、それを理解していない人たちには視覚的には一見他の人たちと変わらないように見えてしまう、もしくはそう感じてしまう場面がとても多かった。

ストリートファイターⅤはそういった点を出来る限り排除して、深い知識がなくてもプレイヤーの凄さが伝わりやすいゲームになっている。個人的な見解だが、従来の格闘ゲームとは違いe-Sportsとして試合を見ている人にも目を向けた作品なのだと思う。

その結果
ウルⅣと比べて出来ることが減った
と感じてしまう人が多いだろうが、別の視点から見ると
やらなきゃいけないことが増えた

それについてポイントを挙げて説明していきます。

1.必殺技の変化

ウルⅣでは必殺技がとにかく強くてノーマルですら”出し得”と言われる場面がとても多かった。そして本来リスクがあるはずの技ですらセービングキャンセルを使うことでリスクが無くなるどころか有利状況を継続したり、大幅にダメージアップしていた。

しかしストⅤでは

“発生前に大きな隙がある”

もしくは

“ガードされたら反撃を受ける”

といった明確なリスクが殆どの技に存在する。

逆に、”発生前に大きな隙がある“技の場合は相手がガードしていればその後は有利状況になったり、”ガードされたら反撃を受ける技“の場合はコンボで活躍したり見てからでは対処できないといった特性が見られるのは面白い。

例Ⅰ.ジャガキでの比較

ウルⅣアドンのジャガキ
・発生が早くて判定が強いのでプロや上級者ですら見てから咄嗟に対応することは困難
・ガードされても殆どの場面で反撃されることは無いが不利な状況になることが多い
ストⅤナッシュのジャガキ
・発生が遅くて判定が弱いので見てから対応することができる
・ガードされても有利状況から攻めれる

例Ⅱ.バルログのゴロでの比較

ウルⅣバルログのゴロ
・ガードされても反撃を受ける場面は少なく、不利フレームだがバルログが得意とする間合いになる
・初段の判定が狭いのでコンボとして使えるのは限定的
ストⅤバルログのゴロ
・ガードされると近距離で隙を晒し反撃が確定する
・初段の判定が大きくコンボ用の技として使える

つまりストⅤでは必殺技を出すときに、直前の技のヒット確認したり状況に合わせる必要が出てきた。
ウルⅣ感覚で入れ込んでしまったり、立ち回りで適当に出してしまった時点でなんらかのリスクが発生する。

そして必殺技を受ける側は技を判断して適切に対応することになる。

2.弱攻撃の弱体化

ストⅤでは一部の状況を除いて弱攻撃からは中以上の攻撃に繋ぐことができない。
そして殆どのキャラクターが密着からでも2発までしか弱攻撃が繋がらない。

そこからダメージを取るには2発目の弱攻撃を必殺技でキャンセルすることになる。
しかし上で述べた通り、殆どのコンボ用必殺技にはリスクがある。

つまり弱攻撃2回の間にヒット確認をしなくてはいけなくなった。

ウルⅣでは3発以上弱攻撃を刻んだり、中攻撃や強攻撃に繋いで誰でも簡単にヒット確認からコンボを繋ぐことが出来た。
実はウルⅣでも小技2発でのヒット確認は上級者と中級者を分ける大きな要素の1つだった。
しかしウルⅣでは2発で確認しなくてもなんとかなる場面が多く、ほとんどの人がそのことに気付いない。

ストⅤではその点が「この人は毎回きちんと確認してる!」と視覚的にとてもわかりやすくなった。

さらに面白いのが弱攻撃から状況限定で繋がる中攻撃orターゲットコンボor特殊技を殆どのキャラクターが所持している、という点である。
近距離or立限定orカウンター限定などの条件に応じてそれらの技に繋ぐことで大幅なダメージアップが狙うことができる。

また、弱攻撃が弱体化されたことによる影響は他にもあって、ウルⅣの癖で”とりあえずの弱攻撃”に頼ってしまうとダメージが激減してしまう。
その為、反撃確定の場面で中攻撃以上の技が確定するかどうかの判断が求められる。

これらの状況判断がストⅤでの腕の見せ所であり、観戦者側の見所になると思う。

それでもどうしてもウルⅣ力で戦いたい人はVゲージが溜めやすくてVトリガーが強いキャラクターを選ぼう。

VトリガーではウルⅣ的な要素が姿を見せる。
ストVでは、ヒット確認をせずにVトリガー発動や必殺技を入れ込んで大ダメージを狙いつつ、ガードされていたら隙を消すなどが可能になった。

其の弐

対空の強化とジャンプ攻撃の弱体化
ウルⅣは飛びが強いキャラクターが多く、適当に飛ぶだけで相手にプレッシャーを与えたり有利状況を作る場面が多く見られた。
しかしストⅤでは無敵対空を持っていないャラクターでも状況に応じて使い分けることできちんと飛びが落とせるようになっている。
場合によってはクラッシュカウンター対応技で落とされて大ダメージを受けることもある。

じゃあジャンプが弱いのか?というとそういうわけでは無い。

ウルⅣと違ってストⅤは攻める側に大きなアドバンテージがある為、意識を散らして飛び込みを通すことのリターンも大きいと言えるシステムになってる。

リターンの大きい行動を取るのであればそれ相応のリスクを覚悟しろ、というゲームになっている。

其の参

「環境の変化によってプレイヤーの実力が発揮できない」という点を改善した
ウルⅣでは1Fの差でコンボが成功しなくなるシビアなものが多く、プロですらモニター・ハード・回線状況などの環境の変化に影響されて本来の実力を発揮できないことが多かった。
自分自身海外大会に沢山参加してきたが、会場に到着してから「今まで練習してきた成果が発揮できない」という環境を目にすることも度々あった。

ストⅤでは常に先行入力を受け付けることで難易度の高い目押しを排除した。

シビアなコンボにはプレイヤーへ達成感や爽快感を与え、見ている人には驚きや感動を与える効果があるが、それでも切り捨てたのはe-Sportsへの昇華を目指すカプコンの強い意志だと思う。

其の肆

ネット対戦環境の改善
※これは実際にきちんと調べたわけではなく体感による予想です

ウルⅣでは常に相手と画面を同期させていたので、ラグが起きている場合はラグの分だけ画面全体の映像が遅れていた。

ストⅤでは対戦相手と画面の同期をしていない・それぞれが遅延の無いオフラインと変わらない画面が表示される。
そしてサーバー上でお互いの入力が答え合わせされて、その結果が画面に上書きされる。

ラグが起きた分はモーションの初動作をカットすることで補っているので、つまりラグが1~2Fしかない相手とならばオフラインと変わりない対戦ができるという事。

ベータテストをプレイした人の多くは画面のワープや結果の変化を体験したと思うが、それは3F以上のラグがある相手との対戦・初動作が大幅にカットされてしまった結果だろう。

ウルⅣでラグが10F発生する海外勢と対戦すると
・相手のジャンプを昇竜拳で落とすには相手が頂点付近にいる時に出す必要があった
・確定反撃を取る時も相手のモーションが終わる10Fも前に入力しなくてはいけなかった
ストⅤでラグが10F発生する海外勢と対戦すると
・相手のジャンプの始めの10Fはモーションが表示されず相手がワープしてくるが、反応が間に合えば視覚通りに引き付け昇竜が可能
・確定反撃を取る時は普段通りのタイミングで確定が取れる

画面上はウルⅣのシステムの方がスムーズに動いているように見えるが、ストⅤのシステムの方が引き付けるタイミングや確定を取るタイミングが狂わずに済む。

個人的には画期的なシステムだと思った。

ストⅤはウルⅣと似ているようで全く違うゲーム

この記事をきっかけに今までの固定観念や先入観を捨ててプレイしてみてもらえれば幸いです。


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